大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和42年(あ)2074号 決定

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人武田安紀彦、同浜田源治郎の上告趣意第一点は、違憲(三七条二項違反)をいうが、実質は単なる法令違反の主張であり、同第二点は、単なる法令違反、事実誤認の主張であり(なお、他人との共有にかかる土地を、その依頼により、表面上単独所有者として第三者に売り渡した者が、その第三者から受領した代金は、特約ないし特殊の事情の認められないかぎり、その他人との共有に属するものと解すべきであるから、原判決が、被告人の所為を横領罪に当たるものとしたのは、正当である。)、同第三点は、量刑不当の主張であって、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。

よって、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 大隅健一郎 裁判官 入江俊郎 裁判官 長部謹吾 裁判官 松田二郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例